ごぶさたしています、本物の臆病画家:PANKICHIです。この Blog も京都探訪をまとめるのに丸二ヶ月も費やしていたので( 結果的に中篇小説みたいなボリュームになった…… )、そろそろ出雲移住計画の進捗報告をしておきます。6月〜8月までの三ヶ月分をまとめるのは、さすがに時間が足りないので「おさらい」と「ダイジェスト」版に仕上げました。この夏、僕が何と闘ってどんな風に吹かれていたのかをちょっとでも感じていただけたら幸いです。本当にいろいろあったんだから……。
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QUEST:JUNE
これまでのおさらい。絵描き:PANKICHI は4月から出雲に到着したものの、対・村シィステムの洗礼に遭い約二ヶ月をロス。高台の古民家の再生がスタートしたのは京都探訪を終えた6月下旬からになりました。水回りの設置場所がワイルド過ぎたため、組んでいた予算が2倍になることが判明。100年前の風呂場で熟考を重ねる日々がつづく中、再生に向けた古民家の片づけ作業がいよいよスタートすることになるのでした(その作業が丸二ヶ月もかかることはこの段階で画家は知らない……)。
京都探訪からそのまま付いてきて来てくれた “ブンガク”( 彼については「京都探訪」シリーズを参照ください )の助けを借りて、先ず古民家の中に眠っていた100年前の骨董品たちを片づけたり、要らない建具は破壊したりするところから始まりました。途中で、近所の民泊業の先輩女史が「高台からの眺めを見てみたいわ。」って声をかけてきたので、快く案内したりしつつ画家は個展の準備のためスケッチブックに向かう日々をこの頃から開始するのでした(物片しだけで数日間を費やした……)。
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QUEST:JULY_
“ブンガク” と別れた後、すぐに7月になり助っ人として地元大学の女の娘に来てもらい、さらに物片しをつづける日々がつづきました。梅雨はこの段階で明けようとしており、粉塵が舞う中、僕らは防塵マスクとゴーグルを着用して作業に当たりました。途中、村人から頼まれて盆祭り用の灯籠に絵付けをする作業をしたりと悪戦苦闘していたら、精神的に参ってきたのか夢の中に「モノリス」が現れて、「窓を開け放って見よ。」って御告げをくれたりしました(この頃、僕は家の中でテントを張って寝ていた……)。
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QUEST:AUGUST
物片しをする中、僕は何とか古民家を予算内で造り直すことは出来ないかなと考え倦ねていたら、大社前の神門通りのパン屋さんに立ち寄った際に、お店の方から「この近くに、古民家再生士さんがいらっしゃいますよ。」というこれまた御告げみたいなアドバイスをいただいて、早速その方に会ったら「ぜひ、お手伝いさせてください。」と事態が一気に前進することになりました。でもその代わり予算を削っているので資材運びを自分の手で行うのが条件として出てきました……ここから激闘が始まるわけです。
「あははっはーはー。」って思わず笑っちゃうくらい建材の漆喰が重たくて、本当に僕はこの後建具とかコンクリート・ブロックとか運べるんだろうかって不安がよぎるわけですが、この頃になるともう画家の体力と精神力は限界を超えていて、とき時カブトムシやカマキリとかが僕に向かって、「PANKICHIクン……物事は二つの目で見ないといけないのだよ。」って哲学的なことを囁いてくるのが聴こえるようになっていました。でも、虫だけじゃなくて花や鳥や風や月とかの “声” を頼りに乗り切っていたんです。
花鳥風月から力をもらったり、京都のトモダチや外国人のトモダチから励ましの言葉をもらいながら物片しは、ようやくクライマックスを迎えようとしていたところに、頼もしい助っ人 “ヒット・ガール”(彼女についても過去の記事を参照ください……) が東京から颯爽と現れて、「何をぼやぼややってるのよ、早く私に新しい “武器” を寄越しなさいよ。」って叱責されるのでした。僕もその勢いに乗って天井の上で「サーフィンした」り「召還呪文を唱え」るのでした(ほとんどユーモアで乗り切っていました……)。
“ヒット・ガール” が帰った後、僕は自分のご褒美としてドーナツを食べたり、大切な人たちのために祈りを捧げるため隣村の祭りで勇気を魅せたり、インテリジェンスを保つため本を欠かさず読んだり、とき時怪獣に変身して「ガオーーーッ」って叫んでみたりして、何とかその夏を過ごすのでした(そうそう、初めてこの土地で入った海で小学生の女の娘に思い切り意地悪されたりもしました…… ←いつもそうなる)。でも、クタクタになりながらも画家は笑顔を絶やさず手を休めず前を向いてやってきたわけです。
最後の追い込みは自分でやろうと決意した僕は、建材を高台の古民家にふらふらしながら運びました(途中で左腕損傷して、iPhone の画面を割りましたが……)。「ピース。」って自撮り写真を撮っていたのもきっと、平和が来ることを祈ってのことだったと思います。古民家もようやく窓が取り付けられて、そこから眺める景色にすごおく感動しました。灯籠も盆祭りでは村人たちから褒められるし、自分で着た浴衣も上手に帯を巻くことも出来ました。この頃には毎日、図書館に通って絵を描いていました。
目には見えない “オマジナイ” の効果もあって、個展の絵の制作も順調に運んでそろそろ京都探訪(♯2)に出かける準備をしているところに。最後の助っ人 “Michael” が現れました。カリフォルニアの血が半分入っている彼をハンバーガー屋に連れて行きながら、彼の滞在中に古民家はとうとう物片し「は」ようやく終りました。画家もいまではサーカスの曲芸師みたいに高いところが平気になりました。そして、自分で運んできた漆喰を使って土壁塗りのテストまでこぎつけました。明けない夜はないってやつです。
8月下旬に半分仕上がった絵を携えて僕は京都探訪(♯2)に出かけるわけですが……その様子は次回の Blog で綴りたいと思います。でも、高台の古民家 ⇄ 仮住まいの古民家 ⇄ アトリエ(図書館)というローテーションの中で、僕は僕なりに自分の全存在を懸けて再生作業や絵画制作に取り組みました(もちろん、本当に多くの助っ人たちや影ながら応援してくださっている人びとに支えられながら作業や制作は進んだと思っています)_ これで僕のサマーウォーズはおしまいです。
この夏、僕はやわらかな薫風の中にいました。
次回は、いよいよクリエイション篇に突入です_
[了]
《 後日附記 》
京都探訪(♯2)を終えてこちらに戻って来たら、すぐに9月に入ったわけですが現在(13日時点)古民家再生は「クリエイション篇」のクライマックスにさしかかっています。来週明けには高台の古民家は一応、一通りの作業は終わりその後は「本当の大掃除」がいよいよ始まります。東京を離れる時に預けてきた僕の私財_といってもダンボール箱数個と家具くらいですが_もそろそろ解除して、今月末には今年最後の引越し作業にかかります。僕の「出雲移住計画」ですがこれからが本番だと思っています。
それと、この夏は本当にあっという間に過ぎ去ってしまったのですが(それだけ毎日、集中して過ごしていたということなんでしょうが……)、途中 “しんどい” 時期がありまして_仮住まいの古民家にテントを張っていた頃とか_その度に「心優しい人(びと)」が目に見えないかたちで助けてくれて、何とか気持ちを立て直すことが出来ました。恩を返すとかそういうことは考えていませんが、僕の高台の古民家の完成と京都での個展が無事、開催されることで感謝の気持ちを顕したいと考えています_
周りから見たら僕のやっていることは滑稽に映るのでしょうが、そこは風変わりな画家のやっていることと大目に見てもらえれば幸いです。こちらに来てつくづく感じていますが、自分は本当に臆病な人間なのだなあってことです。もう少し格好つけても良いのでしょうが、そういうのはすぐにぼろが出ると思うので。しばらくは在りのままでやっていこうと思っています。「風立ちぬ いざ生きめやも」って言葉がありますが、海辺に立って風を頬に感じているうちは……もう少しだけ頑張ってみようと思います。
PANKICHI
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《 次回予告 》
古民家再生で疲労困憊だった絵描き:PANKICHI は何とか絵画制作を前進させて一路、京都へ向かう。出迎えたのは謎の詩人女性、そして真夜中にあの男と遭遇。果たすべき目的を失った画家の前に現れたクールな狂言回し、本屋をめぐる冒険が進む中、最後に京都の秘密をこっそり耳元でささやくパーティ・ガール。前回のカラフルな様子とは打って変わり、探訪はミステリアスな展開が交錯する。次回の「PANKICHIのワクワクをめぐる冒険」も乞うご期待!!
次回「京都探訪♯2_本屋めぐりとキューブリック世界の住人たち(仮)」_